雨の日やくもりの日、台風が近づいてきたときなど「天気が変化するとき」に頭痛を感じることはありませんか?
気圧の変化によって血管が広がり、脳の神経が圧迫されることでおこる症状です。「天気頭痛」と呼ばれています。
日々の生活や大切な予定の中で、天気を心配するのは大変ですよね。
鎮痛剤を毎回飲んでいて大丈夫かな、と不安な方もいるでしょう。
今回は東洋医学の目線から、天気頭痛の原因と症状を和らげる効果的な漢方薬の選び方をご提案します。
生活の中で気を付けることも合わせて紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
天気頭痛の原因を東洋医学的に考える
東洋医学では天気頭痛の原因を「水毒(すいどく)」と考えます。
水毒とは、体の中に余分な「水(すい)」が溜まっている状態です。
「水」は一般的な水(みず)とは異なり、体液やリンパ液、汗など体の中の多くの液体の総称です。健康な状態では、体の中にはちょうどいい量の「水」があり、体の中をスムーズに巡っています。
余分な「水」が溜まっているだけでも、巡りは悪くなり、むくみや下痢などの不調がおきることが多いです。
さらに気圧の変化が加わると、より「水」の巡りは悪くなってしまうので、天気頭痛が引き起こされてしまいます。
天気頭痛におすすめの漢方薬
「水」の巡りをよくする漢方薬を2種類ご紹介します。
五苓散
「水毒」を改善する代表的な漢方薬です。
5種類の生薬を配合しています。
漢方薬は効き目が出るのに時間がかかるイメージを持つ方が多いですが、五苓散のように生薬の種類が少ないものは比較的早く効き目を感じられます。
体質をあまり選ばないので、まずは五苓散を試してみるのがおすすめです。
当帰芍薬散
天気頭痛に加えて、冷えと貧血がある方には当帰芍薬散がおすすめです。
6種類の生薬からなるシンプルな漢方薬です。「水」の巡りをよくするはたらきと、「血(けつ)」を補うはたらきがあります。
頭痛時に目の痛みを感じる場合も、当帰芍薬散で和らぐことが多いです。
天気頭痛を楽にする「生活養生」
「水毒」を和らげるために、生活の中で気を付けると良いことをご紹介します。
甘いものは控えめに
甘いものは体の中をドロドロにする性質があります。砂糖を室温で放置すると、水を吸ってドロドロになりますよね。体の中でも、同じ現象がおきます。
甘いものはなるべく控えめにすることが「水」の巡りをよくするために大切です。どうしても欲しい場合は、ドライフルーツなどの自然の甘味を選ぶと良いでしょう。
胃腸を労わろう
体内の「水」の巡りには、胃腸が大きくかかわっています。胃腸の調子を上げると、「水」の巡りはスムーズになります。
胃腸の調子を上げるには
- 1口30回かむこと
- 腹8分目にすること
- なるべく温かいものをとること がポイントです。
少しの意識で体は変わっていきますので、ぜひ今日から意識してみてください。
まとめ
天気頭痛の原因となる「水毒」とおすすめの漢方薬について解説しました。
「水」の代謝を改善する漢方薬は、五苓散や当帰芍薬散以外にもたくさんあります。効果が感じにくい場合や体に合わない場合は、お近くの薬剤師や登録販売者にご相談ください。
体は食べたものの積み重ねで、できています。甘いものの量や種類、胃腸を労わることもぜひ気をつけてみてください。
晴れの日も雨の日も、曇りの日も元気に、あなたらしく過ごせますように。
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